金言

少し前になるが、「東京大学アルバート・アイラー」を読んだ。最も心に残ったのは意外や意外、最後の菊地成孔のこの言葉だった。

以下少し引用させてもらうと


「ところで、批評という行為には、自分が実際に経験した事柄以外へと開かれていく、外部的な視座・観点というものが不可避的に必要になってきます。(中略)実際に批評を書こうとするにあたって、そういった個人的なファクターと外部からの批評視座とのあいだには、必ずノイズや軋轢が生じます。自分の身体の反応と、外部から与えられた教育や歴史との相克というものを、記述の中にどうにかして捩じ込む。という行為が批評だと言えるわけですが、(以下略)」


恥ずかしながら、批評とは何かってことをいまいち体で分かっていなかった自分には目から鱗でした。本の内容はそれはそれで興味深かったんだけど、この付近の件がどうにも印象的すぎて。この後、今やネット等に批評があふれているがこれは好き、これは気に入らないと感情だけで切り捨てたあまりに暴力的なものが目立つと続く。


作品の歴史的な位置づけと、それに触れた時の個人の肉体の反応を相克して乗り越えたところにある「苦しみ」を大事にしろ。


何事も勉強ってわけです。