ストーカー take2

早稲田松竹タルコフスキー監督の「ストーカー」を見に行った。

限られた時間の中でリベンジを果たすにあたり、家にあった彼の別の作品「ノスタルジア」をDVDで鑑賞することに。これで「やっぱり面白いかも」と思えたら劇場に見に行けばいいかな。

というわけで、DVDをセットして再生スタート。

・・・そして五分後に停止、やはり劇場に行かなければいけないという確信を得る。


この五分間ではっきりわかったこと、タルコフスキーは家のテレビで見ても1mmたりとも面白くない!!!とにかく、でかいスクリーンで見ないと退屈極まりない。へっぽこブラウン管では彼の言いたいことを矮小化して卑屈に伝えるだけだ。



という訳で、泣く泣く興味のある授業をさぼり馬場に向かう。

前日ぐっすり寝たこともあり、今日はいける!と確信をもって腰をおろす。



・・・160分後、そこには目をしっかと見開いてスクリーンを見つめる自分の姿が!!

自分を褒めてあげたい気持ちでいっぱいだったけど、内容は何が何だかさっぱり・・・。とにかく、前回自分がそうそうに眠ってしまったことだけははっきりとわかった。
終幕後、他の観客と一緒に壁に貼り付けてある当時の解説記事(手塚治虫が寄稿!)を狐につままれたような表情で眺める。うーん・・・
帰宅後、ニコニコにアップされていたのでとりあえず復習。ラストの方のわりと重大なシーンで寝ていたことが判明・・・。

タルコフスキーはとにかく感覚が鋭敏すぎて、彼のフィルターがかかった世界を余すことなくスクリーンに映し出している。

彼の映画を楽しめる人は彼と同じ世界を共有できる、いわば特権的階級に属している人であって、僕は「タルコフスキーの映画をわかる人になりたかったけれどなれなかった」人だ。なのでこれが傑作であるというのは容易に理解できるけれど、僕はほとんど楽しめなかった。帰りの道すがら少し悲しくなった。


とりあえず「タルコフスキーをスクリーンで観た」というのは将来いい思い出になるだろうな。