あの夏、いちばん静かな海

北野武監督作品

「セリフを極力しゃべらせたくない」との意向で、主役のカップルがともに聾唖という設定。サーフィンにのめりこんでいく青年のひと夏の物語。とても静かな中、久石譲の音楽が盛り上げる。

こういうシーンを撮りたい、という気持ちありきでストーリーを付随させていった感じ。冒頭、海沿いの道路をボードを持って二人で歩く様子をロングショットでゆっくり追いかける。これだけで「あぁ見てよかったな、これから始まるけれど面白いんだろうな」と確信させます。

みんな演技がめちゃめちゃ下手なのだけど、「確かに普段の会話ってこんなのかも」と思わせるやり取りの数々。ありがちな状況説明セリフを排し、リアルさを追求する姿勢が見え隠れする。


ラストが冗長ではあるけど、監督いわく「サービス」でつけたとのこと。でもやっぱりいらない。
ソナチネの方が好きだけどこれもグッとくる。




11/7、池袋は新文芸坐にてオールナイトで北野武特集をやるとのこと。見に行こう。
ちなみに今週末は押井守特集でうる星やつらやら攻殻機動隊やらスカイ・クロラやらをやるらしい。学科の友人と行く予定です。