逆襲のシャア

を観た。個人的にはかなり面白かったけど、何だか見ている途中で引っかかる感じもあって。

今までのガンダムの総決算ながら何か今までとは違う。この違いが何か書くのは非常に難しいんだけど、おそらく「グチャグチャしていない」という点がそう見せているのかと。TVシリーズでは話の本筋やサイドストーリー含め半ばだらだらと描き、そこから各キャラの主張が透けて見えてくる。それに対し、劇場版では時間内に話を進めようと始めからスッキリサッパリ要点だけ取りましたみたいなところが違和感の原因なのかも。


とにかく話の展開がとても速い。これで50話やったらかなり面白い話になるんだろうなー。クェスやギュネイがホントに頭おかしい人ってだけで終わっていて魅力を活かし切れていないし、他のキャラもとりあえず時間内に自分の思ったことを行動に移すので精一杯な感じだった。


ただやはり、モビルスーツや戦闘シーンは群を抜いてかっこ良い。観た人なら誰もが挙げると思うけれど、νガンダムサザビーのシルエット及び最終決戦なんかはシリーズ最高峰。カメラでいうロングショットでファンネルや銃を使った飛び道具戦を大局的に描いたあと、そこからMS付近にフォーカスして接近戦での殴り合いへの移行っていう一連の流れは白眉。


また何といっても自分が思うガンダム最大の魅力である「自分の持つエゴにも近い正義感や価値観の押し付け合い」という点が非常に綺麗に描かれてる(まぁここは前述の違和感の点にもつながるので、何とも言えないけど)。それでもやはりコクピットを通してアムロとシャアが主張をぶつけ合いながら戦闘をする構図が最高過ぎる。どちらの主張もある面では正しくて、ある面ではてんでダメで、それでも自分の信念として持ってしまった以上相手を捻じ伏せてでもそれを貫き通すしかないし、捻じ伏せることが自分の正しさ証明でもある。


シャアについても書きたいけどもう寝たいからとりあえず少しだけ。

人民を率いて道化を演じるシャアの姿は何だか滑稽極まりなくて、アムロと本音をぶつけ合っているときだけイキイキしているように見える。やはり、人の上に立つべき器では無いのかも。


いやーでもマジ面白かった。